続刊を楽しみにしていた『海が走るエンドロール』の新刊が出ていたので読んだ。
海が走るエンドロール 5 (ボニータ・コミックス)
疲労から映画祭の会場で倒れてしまったことをきっかけに、自身の映画との距離感を見つめ直すうみ子さんと、それを察して不器用な形ながらも元気づけようとする海くん。5巻も良かった。
考えてみると、こういったクリエイターの葛藤を描いた作品が好きなのかもしれない。クリエイターが主人公の以下の作品にもハマったしな。
ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)
絵を描くことの楽しさに目覚めた主人公を中心に、美術大学受験予備校や入学試験での苦悩、東京藝術大学の学生として美術を学んでいく姿を描いた青春群像劇
ルックバック (ジャンプコミックスDIGITAL)
自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――
映像研には手を出すな!(1) (ビッグコミックス)
アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!
これ描いて死ね(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
都会から離れた離島で暮らす女子高校生が、長期休業中であった憧れの漫画家との出逢いをきっかけとして、学校で漫画研究会を設立し、仲間やライバルたちと漫画制作に挑む物語
かくかくしかじか 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
自分は絵がうまい。本気でうぬぼれていた林明子(高3)は竹刀を持った絵画教師・日高先生に罵られ…!? 少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ!
描かないマンガ家 1 (ジェッツコミックス)
アメリカで盛んな、中高生が科学の自由研究を発表し成果を競うコンテスト「サイエンス・フェア」に関するノンフィクション『理系の子―高校生科学オリンピックの青春』を読みました。
地方の大会を勝ち抜いた精鋭だけが出場できるインテルISEFという大会があり、そこで受賞すると、賞金の他に奨学金の援助も受けられます。高校生の研究と言っても、
核融合炉の製作 自閉症の子供に対する教育プログラムの開発 PTSD患者を癒す馬を使ったセラピーの開発 ラジエーターを使った効率の良い太陽光発電装置の製作 テフロン生産時に排出される有害物質を低コストで除去する方式の開発 などなど、とても高校生の研究テーマとは思えないハイレベルなものばかりです。
「困ったこと」を解決したいという切実な想い # なぜ、中高生がこんな研究をしよう考えて、最後までやりとげられるのか。
単純に対象への知的好奇心のケースもありますが、身の回りの「困ったこと」を解決したいという切実な想いから始めた研究の場合、最後までやりとげようという気持ちが強くなり、ストーリーとしても感動的なものが多かったです。
例えばラジエーターを使った効率の良い太陽光発電装置の製作をした13際のギャレット・ヤジー。ギャレットはインディアン保護特別保留地でトレーラーハウスに暮らす貧しいネイティブアメリカンの家庭に生まれました。
住んでいるアリゾナ州ピニョンは冬になると気温が氷点下まで下りますが、トレーラーハウスにある暖房は石炭ストーブひとつだけ。石炭は高価な上、妹が喘息の発作を起こす原因になるため、毛布を体に巻いて暖を取る家族。しかし、寒気は容赦なく家族を襲います。
ギャレットは毎日放課後に、何時間も学校のコンピュータで石炭を使わずに暖を取る方法が無いかを調べ続けます。廃品の山から材料を探し、苦労の末太陽光発電装置を作りあげてトレーラハウスに設置。
その日の夕食後、お湯で皿を洗うことができた母親は「おまえのことを誇りに思う」とギャレットに伝えます。
ギャレットはその言葉を聞けただけでも満足しましたが、AISEF(アリゾナ・アメリカン・インディアン科学/工学フェア)へ研究を発表し、500以上の研究の中から一位に選ばれました。
「ハマれること」に出会うことの幸福 # 本書ではギャレットも含めて6人を取材し、それぞれのバックボーン、研究テーマを見つけるプロセスから研究発表までをまとめていますが、そのそれぞれに、バラエティに富む感動的なドラマがあります。
本書では「理系の子」をテーマにしていますが、別にサイエンスの分野に限らず、「夢中になれること」を見つけることで、人はこれほどまでに能力を発揮できるということを思い知らされました。「好きこそものの上手なれ」というのはこういうことかと。
子供が自ら興味を持ったことであれば、それがどんな内容だったとしても、やりたい気持ち、調べたい気持ちをスポイルするようなことだけはしちゃダメですね。子育てなんて、それだけで良いのかもしれません。
高校生科学オリンピックの青春 理系の子
学生時代、家呑みのつまみを作り始めてから、料理をつくるのが好きになりました。今でも週末は料理をつくることが多く、このブログでもいくつか料理記事を書いてますが、どれもレシピ的な書き方にはしていません。
これは、檀一雄の『檀流クッキング』という本を読み、レシピでなくてもいいのだと思っているからです。
『檀流クッキング』は昭和40年台、檀一雄が産経新聞に連載していた料理コラムをまとめた本。
さまざまな国の料理を92種類紹介していますが、細かな手順や食材の分量などはザクッと割愛しています。レシピ本ではないのです。
どんな食材と調味料を使うのかと、ポイントとなる手順は何かのみを提示し、あとは好みでやってみればよろしいというスタンス。
例えば、オカラを使った「大正コロッケ」には、こんな説明があります。
そのトビウオなり、アジなり、イシモチなりの肉を包丁でこそぎとり、スリ鉢で、よくつきほぐす。魚肉のスリ身ができるわけである。その魚肉のスリ身の中に五円分のオカラを入れる。よく混ぜあわせ、ネギのザク切りと、乾したサクラエビを適当に混ぜあわせれば、それで良い。
なんというワイルドさ。「The 男の料理」です。
とは言え、ある程度、料理ができる人なら、これぐらいの説明でも作れるんじゃないでしょうか。現に『檀流クッキング』の全レシピを再現されている方もいらっしゃいます。
▼檀流クッキング完全再現
趣味で料理を楽しんでいる私のようなタイプは、詳細で複雑なレシピだと、逆に作ってみようという意欲が低下してしまうので、これぐらいの塩梅で、さまざまなジャンルの料理を紹介してくれるほうがありがたいんですよね。
食を題材とした本やコミックが好きなんですが、それも同じ理由です。
料理を作らない人でも、四季の旬の食材を使った料理であったり、昭和40年台の食材事情がかいま見えたり、「こんな時期には、よく、その太宰治と二人、荻窪の屋台のウナギ屋へ出かけていったものだ」などという記述もあったりして、食を軸としたエッセイとして楽しめるのではないかと。
[! 檀流クッキング (中公文庫 た 34-5 BIBLIO)
スポーツで名将と呼ばれる人の言葉からは、多くのことを学ぶことができます。
監督の最も重要な仕事は、自らの方針や戦術を選手に理解・浸透させ、チーム全体でいかに具現化し結果を出すかではないでしょうか。
しかし、プロスポーツ、中でも強豪と呼ばれるチームに属する能力の高い選手は、当然、そのスポーツに対してそれぞれの見識を持っています。納得できる方針、勝てる(と思える)戦術を提示できなければ、要求通りのプレイなどしてくれないかもしれません。
プロのアスリートは勤め人ではなく、シビアな世界に生きる個人事業主ですから当然ですね。
その意味で、プロ選手としてのキャリアが無いにも関わらず、数々のクラブで多くのタイトルを獲り、先期までスペインの強豪レアル・マドリーの監督を務めていたジョゼ・モウリョーニョの手腕はすごい。(残念ながらレアル・マドリーでは期待されていたほどの成績を収めることはできませんでしたが…それでも凄いけど)
少し前に、WOWOWで放映されたノンフィクションW 「王者の資質」レアル・マドリード監督ジョゼ・モウリーニョという番組は、多くの関係者のコメントを引用しつつ、モウリーニョ自身の経歴を読み解くという興味深い内容でした。
先日、自分のEvernoteを整理していた際に、その番組をメモしたテキストが発掘されたのですが、サッカーに閉じた内容ではなく、チームビルディングやリーダー論として役立ちそうに思えたので、ここでシェアします。
目に見える成果を上げて結束を強める # 勝つことで人々は結束する。
チームが勝ったり快挙を成し遂げたり大きな目標を達成したとき、大きな共感が産まれ監督と選手の距離も近くなる。これが大きな力になる。
勝利がチームの問題を解決させていくんだ。
モウリーニョは目に見える成果を早く出すことに注力し、それによって、自分への信頼を獲得することで求心力を高めていきます。
だからこそ結果を出すことにこだわる。アンチフットボールと揶揄されたとしても、それが、結果を出すためにベストと判断するなら躊躇なくやり切る。それは「目に見える成果」を「少しでも早く」上げることに注力しているからなんでしょうね。
「常識」を疑い新しいコンセプトを打ち立てる # モウリーニョの練習時間は試合と同じ90分。走り込みなどのフィジカルトレーニングは一切ないそうです。
仮にあなたがピアノをうまく弾きたいなら練習でピアノの周りを走るか?
そんなことはないはずだ。ピアノを弾くだろう?
サッカーも同じだ。グラウンドの周りを走って、いいサッカーはできない。
一般的な練習メニューをこなすのではなく、なぜそんな練習をするのか、その結果、どのような成果が得られるのかを考え抜いて選手へ伝える。
ポルトガル代表のポスティガはモウリーニョの練習に関してこんなコメントをしています。
「次の試合はこうすれば勝てる」そんな自信が持てる練習なんだ。
彼はいつも相手の弱点も長所も試合展開まで完全に予測していた。
その上でどうプレイすれば相手を上回れるかを練習する。
つまり試合の前から僕たちは有利になっているんだ。
さらにプロ経験が無いモウリーニョは、こんなことを言っています。
私は優れた選手たちを、さらに上手くすることはできない。
私はロナウドにキックを教えることはできない。
カシージャスにセービングも教えられない。
だがチームで戦うことを教えることはできる。
全てはそのための練習だ。
レベルの高い選手を揃えているチームでなければ、同じようにはいかないかもしれませんが、監督の仕事は選手個々のスキルを高めることではなく、選手のストロングポイントを最大限に引き出して融和させ、チーム全体の力を選手の能力値の総和以上に高めること。
この視点はプロ選手としてのキャリアが無いモウリーニョならではなのかもしれません。
外部の雑音から守る # レアル・マドリーのマルセロはこんなコメントをしています。
先週末、コンサドーレ札幌とのアウェイゲームのため札幌へ行ってきた。
スタジアム近くで見かけたクマ注意の看板。今年はあちこちで被害がでているが、こんなところにまで来たのかとちょっと驚いた。
札幌はもう紅葉が始まっていて、スタジアム周辺の木々も色付いていた。
マッチデープログラムや監督紹介の際の拍手に札幌サポーターの深いヨモさん愛を感じた。いまでも良い関係のようでいいですね。
また、スタッフの方々の声掛けやコミュニケーション全般の感じが素晴らしく、ホスピタリティを感じさせられるものだった。
スタグルに期待し何も用意せずにスタジアムへ向ったが、座席近くの売店はチェーン系(ケンタッキー、銀だこ、モスバーガーなど)がほとんどで残念な感じだった(いつでも食べられるという意味で)せっかくだったら地元のものを食べたかったところ。
試合については記さないことにする。
夜はすすきの海乃四季というお店で残念会。
昼間のできごとなんてサッポロ・ザ・パーフェクト・クラシックを飲んだら忘れてしまった。
どの料理も美味しかったし、接客もていねいで良いお店だった。
快晴の三ツ沢。前半32分に潮音が挙げたゴールを守りきりFC東京へ1-0で勝利。
潮音がコメントしているが、シーズン途中で始めた、守備時に5バックになる堅い守備をベースとした戦い方が熟成した感じがする。
引き込むところと、相手に合わせて、相手の特徴を考えて自分たちが前から行くところは、本当にここ数試合で良くなっている。
強力な攻撃力を持つFC東京を無失点で押さえたのは大きい!
本日最後の投稿は
試合終了間際、チームの背中を押したファン・サポーターの皆さんの本日一番の声を。
あと4試合。
全員で力を振り絞って、必ず掴み取りましょう。#yokohamafc #横浜FC#決めるのは自分たちだ pic.twitter.com/ULCl2sBBnB
— 横浜FC【公式】 (@yokohama_fc) October 21, 2023 昨日のゲームは1万人を越え三ツ沢の雰囲気は最高だった。アディショナルタイムの「フリエオイ!」は自分が聞いた中で過去最高だった。震えた。
のこり4試合、なんとか残留をつかみ取りたい。