佐々木俊尚さんの料理本『簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。 』を読みました。
旬の食材と基礎調味料を使ってつくる、昔ながらのシンプルなごはんは、簡単、美味しい、お金がかかからない、健康的と良いことずくめ。
今の時代、家の料理こそが一番の贅沢であるというのが本書のメッセージです。
本書は、
第1章 バブルを経てわかった結論。家の料理が一番の贅沢。
第2章 道具はシンプル、食材は旬のもの。お金をかけずに、続ける方法。
第3章 食材をまず決め、7種の味から、違うものを選ぶ。最後に調理法。
第4章 手順も大事。さらに美味しく食べるための実践ポイント。
第5章 ひと手間で美味しさアップ。我が家で人気のレシピのコツ。
という5章から構成されますが、いわゆるレシピ本ではありません。
なぜ「家めし」が良いかに始まり、「家めし」を始めるときの道具の選びかた、献立はどのように考えるかなどのポイントを実例を交えつつ解説します。
個人的に最も参考になったのが「食材と味付けから献立を組み立てる」という考え方。
先に料理を決めてから必要な食材を買うのではなく、使う食材(旬の野菜中心)を決めてから、料理を考える。
考え方としてはわかるものの、敷居が高そうな気がしませんか?
本書を読み、どうすれば良いかがわかりました。詳細は書きませんが食材×味のパターンから発想するとは…眼から鱗でした。
また、シークァーサー果汁を使った自家製ポン酢、市販の焼きそばを美味しく作る手順など、高価な食材を使わずに、ひと味違った料理を作るためのアイデアも興味深かったです。きっと、すぐに真似したくなりますよ。
先日、さっそくこの本で紹介されている「鶏もも肉と白菜だけでつくる究極の水炊き、自家製ポン酢とともに」を作ってみましたが、いつも家で作っている水炊きとは違った味わいで、とても美味しかった。
▼【連載】『家めしこそ、最高のごちそうである。』 レシピ①:鶏もも肉と白菜だけでつくる究極の水炊き、自家製ポン酢とともに — HONZ
以前、紹介した『「The 男の料理」檀流クッキング』と同様、食材の分量や火加減、詳細な手順は書かれていないため料理をしたことのない人が、この本をレシピとして「家めし」を作るのは少し難しいかもしれませんが、食のエッセイとして十分に楽しめると思います。
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